日々、数字や書類と向き合う仕事をしている私ですが、ふと窓の外を眺めたり、近所や公園を散策したりすると、練馬区ならではの「緑の多さ」に心が洗われ、手前味噌ながらこの町がとても好きです。練馬区といえば、都内屈指の住宅街でありながら、実は「農業の街」という側面を強く持っています。今回は、「練馬野菜」について、地元の美味しい情報とともに綴ってみたいと思います。1. 「練馬大根」から「キャベツ」へ。世代で変わる練馬の象徴練馬区の野菜と聞いて、まず小学校の教科書でも取り上げられる通り「練馬大根」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。 江戸時代から続く伝統野菜であり、かつては練馬の代名詞でした。もちろん今も保存会の方々や熱心な農家さんによって大切に育てられていますが、実は生産量としてはそれほど多くありません。私自身の世代、そして今の練馬において「地元の野菜」といえば、なんといっても「キャベツ」です。都内最大の生産量を誇る練馬のキャベツは、ずっしりと重く、葉の巻きがしっかりしていて、火を通すと驚くほど甘みが増します。春先や冬の旬の時期には、区内のいたるところでキャベツ畑が広がり、収穫作業が行われている光景を目にします。西武池袋線の石神井公園駅と練馬高野台駅の間にもちらっとみえるのですが、大きなキャベツ畑があります。「東京23区内に住んでいるのに、車窓からキャベツ畑が見える」 これは、他の区ではなかなか味わえない、練馬区だけの光景ではないでしょうか。2. 23区で唯一無二の「農地」の多さ意外に思われるかもしれませんが、練馬区は東京23区の中で農地面積が最大です。都内の農地の約4割が練馬区にあるとも言われており、区内には現在も多くの「生産緑地」が点在しています。ついつい私たち税理士の視点から見ると、これらの農地を維持していくための相続税や贈与税の特例、生産緑地の2022年問題といった法的な側面が気になってしまうのは職業病だと思いますが、まずはこの「緑がある景色」そのものが、練馬区の資産価値を高めていると感じます。3. レストランで出会う、ブランド農園の逸品最近では、石神井や練馬区内のレストランやカフェでも、地元の農家さんと提携したメニューをよく見かけるようになりました。特に名前をよく耳にするのが、「白石農園」さんや「加藤農園」さんです。白石農園(大泉町)「都市農業のトップランナー」とも呼ばれる白石農園さんは、体験農園の先駆けとしても有名です。 近所のイタリアンレストランで、白石農園さんの「アスパラガス」を使ったパスタをいただいたことがありますが、その瑞々しさと力強い味わいに感動しました。また、冬から春にかけてのイチゴも絶品です。加藤農園(三原台)加藤農園さんといえば、何といっても「ブルーベリー」や「イチゴ」といった果樹、そして色鮮やかな「西洋野菜」のイメージがあります。レストランで練馬野菜を見かけると、「あぁ、練馬に住んでいて良かったな」と贅沢な気持ちになります。こうした「顔の見える生産者さん」の野菜が、プロの料理人の手によってさらに輝く。そんな食のサイクルが街の中で完結しているのは、本当に素晴らしいことですよね。4. スーパーや無人販売所で「今朝採れ」を買える日常プロの料理でなくても、練馬野菜は私たちの日常に溶け込んでいます。石神井や練馬区のスーパー(いなげや、サミット、ライフ、伊勢丹、JAなど)には、必ずといっていいほど「練馬区産野菜コーナー」が設けられています。そこにあるキャベツやブロッコリーは、つい数時間前まで土の中にあったような「今朝採れ」のものばかりです。さらに、練馬区内を歩いていると、駅から少しあるけばあちこちに農家さんの「庭先販売所(無人販売所)」があります。 ちょっと通りかかった時にその日の朝に収穫されたばかりの泥付きの野菜を買う。スーパーではなかなか見かけない、少し不格好だけれど味の濃い野菜に出会えるのは、特別な楽しさがあります。5. 生産者とこれほど距離が近い街は、他にない「東京23区」という大都会でありながら、これほどまでに生産者と消費者の距離が近い場所が、他にあるでしょうか?自分が住んでいる街で、誰が、どんな想いで作っているかを知り、それを新鮮なうちにいただく。これこそが、現代における本当の意味での「豊かな暮らし」なのだと思います。