会社設立をする段階やした後、これからどのようにして売上を伸ばしていくか、一番最初に思い浮かぶ悩みではないでしょうか。特に、設立間もない会社は、資金もマンパワーも限られているのが現実です。そんな状況だからこそ、知っておきたいのが「ランチェスター戦略」です。今回は、このランチェスター戦略に基づき、限られたリソースを最大限に活かして売上を伸ばすための「一点突破主義」について解説します。どのような業種、エリア、サービス、商品にも「大手」や「先駆者」は存在します。そして、新参者の新規参入者はチャレンジャーです。チャレンジャーが大手や先駆者のマネをして、広告費を沢山かけたり、従業員を沢山抱えることは出来ません。なので、限られた力を一点に集中して、特定領域で勝負していくことが大切です。ランチェスター戦略とは?弱者の戦い方を知るランチェスター戦略とは、第一次世界大戦中にイギリスの航空工学の研究者であったフレデリック・ランチェスター氏が提唱した、戦闘における法則性を導き出したものです。この法則は後にビジネスに応用され、特に市場競争における戦略として活用されています。ランチェスター戦略には、大きく分けて「強者の戦略」と「弱者の戦略」の2つがあります。強者の戦略(ランチェスター第二法則):既に市場で高いシェアを持つ企業(強者)が、その地位をさらに盤石なものにするための戦略です。豊富な資金力やブランド力を活かし、広範囲にわたる総合的な戦い方で市場全体のシェア拡大を目指します。弱者の戦略(ランチェスター第一法則):創業したばかりの企業など、市場シェアが低い企業(弱者)が、強者に引けを取らずに成長を果たすための戦略です。限られたリソースを一点に集中させ、局地的にNo.1を目指すことが重要となります。新規参入者は、業界の強者や地域の強者と同じ土俵や同じ方法で戦おうとせず、弱者の戦略に徹することがポイントとなります。なぜ一点集中が重要なのか?では、なぜ弱者は一点集中しなければならないのでしょうか?理由は明確です。リソースの分散を防ぐ:使えるお金、人材、時間は限られています。創業当初はやりたいことが沢山あり、思わずいろいろなことをやりたくなるものですが、あれもこれもと手を出すと、一つ一つの取り組みが中途半端になり、結果としてどれも成果が出ないという事態に陥りがちです。限られたリソースを特定の分野に集中投下することで、効果を最大化できます。専門性を高め、No.1を作り出す:特定の製品・サービス、特定の顧客層、特定の地域に絞り込むことで、その分野における専門知識やノウハウを深く追求できます。その結果、「〇〇のことならあの会社」というNo.1のポジションを確立しやすくなります。小さな市場でもNo.1になれば、顧客からの信頼を得やすく、その後の事業の成長にも効果を発揮します。強者との直接対決を避ける:強者が網羅的に展開している市場全体で戦いを挑んでも、体力差で負けるのは目に見えています。しかし、強者が手の届きにくいニッチな市場や、まだ重要視していない局地的な分野であれば、弱者でも勝利を掴むチャンスがあります。一点集中の具体的な方法では、具体的にどのように一点集中していけば良いのでしょうか?いくつかの切り口をご紹介します。商品・サービスを絞る:多くの商品を扱うのではなく、最も自信のある、あるいは市場にニーズがありながら競合が少ない商品やサービスに特化します。例えば、「〇〇専門のコンサルティング」「△△に特化したソフトウェア開発」などです。特化は難しいように感じますが、例えば飲食店で、ハンバーガー屋さんがない町であれば、そこで「ハンバーガー専門店」をオープンするようなイメージです。地域を絞る:全国展開や広範囲なエリアをターゲットにするのではなく、まずは特定の地域に限定して集中的に営業活動やマーケティングを行います。その地域で圧倒的な認知度とシェアを獲得することを目指しましょう。口コミも広がりやすく、きめ細かいサービスも提供しやすくなります。「地域No.1」はまさにこの戦略です。顧客層を絞る:あらゆる顧客をターゲットにするのではなく、特定のニーズや課題を持つ顧客層に特化します。例えば、「中小企業向けの経理代行サービス」「子育て中の母親をターゲットにしたオンライン講座」などです。ターゲットを絞ることで、より深く顧客の心に響くメッセージを発信できます。目指すは「小さなNo.1」の積み重ねランチェスター戦略における弱者の戦い方で最も重要なのは、「No.1主義」です。どんなに小さな分野でも良いので、まずはNo.1になることを目指しましょう。一つの分野でNo.1を達成できれば、それが成功体験となり、次のステップへの自信と実績に繋がります。No.1になることで、顧客からの信頼度が格段に上がり、口コミも発生しやすくなります。また、価格決定権を持ちやすくなり、利益率の向上も期待できます。まとめ:一点突破で未来を切り拓く!会社を設立したばかりの今は、大きな夢を描きつつも、現実的な戦略が必要です。限られた資金、人脈、時間の中で最大の成果を出すためには、ランチェスター戦略に基づいた「一点集中主義」が極めて有効です。あれもこれもと手を広げるのではなく、自社の強みが活かせる特定の分野にリソースを集中投下し、まずは「小さなNo.1」を目指しましょう。その一点突破が、やがて大きな成功へと繋がる確かな一歩となるはずです。焦らず、しかし確実に、あなたの会社を成長させていきましょう。