暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い日が続いていますね。しかし、我々税理士業界にとっては、寒いと言ってられないほどの繁忙期「確定申告シーズン」の真っ只中です。先日、税務署が主催する「確定申告無料相談会」に相談員として参加してきました。練馬区内でも毎年恒例となっているこの相談会ですが、今年も多くの方にご来場いただき、非常に活気ある一日となりました。今年も私は、石神井庁舎の会場の担当をしてまいりました。今回はその舞台裏や、現場で感じた驚き、そして改めて実感した税理士としての「やりがい」についてお話しさせていただきます。確定申告無料相談会とは?練馬区での取り組みまず、今回私が参加した「確定申告無料相談会」について簡単に概要をご説明します。この相談会は、主に小規模事業者の方や年金受給者、給与所得者の方々を対象に、税理士が無料で申告書の作成アドバイスや検算を行うものです。練馬区内でも、税務署や区民センターなどの公共施設を会場として定期的に開催されています。「自分で作成してみたけれど、この控除の書き方で合っているのか不安」「初めての確定申告で何から手をつければいいかわからない」といったお悩みをお持ちの方にとって、税理士に直接相談できる貴重な機会となっています。私たち税理士にとっても、地域の皆様と直接対話し、どのような点に不安を感じていらっしゃるのかを生の声で聞ける、非常に大切な場でもあります。今年の役割は「スマートフォン申告」のサポート例年、相談会ではパソコンでの申告を担当することが多かったのですが、今年の私に与えられた役割は少し特殊でした。それは、「スマートフォンによる確定申告(スマホ申告)をサポートする担当」です。各会場にパソコン担当が10名ほどいるのに対し、スマホ担当は各会場1名なので、その特殊さが分かると思います。正直にお話ししますと、配属をみた瞬間、身構えてしまいました。「ス、スマホで確定申告・・・やったことない!(笑)」というのも、私たち税理士は日頃、税理士向けのPC用の申告ソフトや会計ソフトなど駆使して決算書・申告書を作成するのが日常です。もちろんe-Tax(電子申告)や税法の仕組みは熟知していますが、一般の納税者の方が使う「スマートフォンの画面」で、一つひとつの項目をタップしながら進めていく操作には、まったく馴染みがございません。「スマホは納税者の方のものを使うのか?まさか私のスマホか?税務署の貸与か?」「絶対、操作方法で詰まってしまう。どうしよう……」「PC版とメニューの配置が違っていたら、スムーズに案内できるだろうか」そんな不安を抱えながら、直前まで予習をしつつ、私の担当時間がスタートしました。税務署の方々のサポートに救われて案の定、最初はスマートフォンの画面特有の挙動や、マイナポータル連携の細かな認証手順に戸惑う場面もありました。税務署の方も3名いらっしゃったので、まずは税務署の方の指導方法を一通り見たら自分も担当しようと思っていたのですが、そんな暇なく早速私の出番がやってきました!汗。しかし、そこで大きな支えとなったのが、一緒に会場を切り盛りしていた税務署職員の方々です。税務署の非常勤スタッフの方や、税務署の若手メンバーの方は、操作マニュアルや最新のトラブル事例にも精通しています。私が操作に迷いそうになると、「先生、ここはここをタップすれば次へ進めますよ」と、さりげなく、かつ的確にフォローしてくださいました。「納税者の方のために、スムーズな申告をお手伝いする」という共通のゴールに向かって、税理士と税務署職員がワンチームで動いている感覚。そのおかげで、最初は不慣れだった私も徐々にコツを掴み、中盤以降は何とか一人でガイドできるようになりました。驚きの光景:60代・70代の方々も「スマホで確定申告」の時代へ今回の相談会で、私のこれまでの固定観念を根底から覆す大きな気づきがありました。それは、相談に来られる方の年齢層です。「スマホ申告のサポート担当」というからには、ターゲットは主にSNSやアプリ操作に慣れた20代から40代くらいの現役世代だろうと勝手に予想していました。しかし、実際に私のブースを訪れたのは、60代、70代、さらには80代に近いご高齢の方々が非常に多かったのです。皆様、ご自身のスマートフォンを手に、「これを使って自分でやってみたいんだ」「一通り自分でやってみたんだけど、合っているか答え合わせをしたくて来ました」と、意欲的に相談に来られます。「マイナンバーカードの読み取り、ここでいいの?」「源泉徴収票をカメラで撮るだけで数字が入るって本当?」そんな質問に答えながら一緒に画面を操作していると、皆様の適応能力の高さと、新しいものを取り入れようとする姿勢に圧倒されました。かつては「若者=スマホで申告」というイメージが強かった確定申告ですが、今はまさにデジタル化の過渡期。練馬区石神井・大泉地区の皆様の時代の波に乗る意欲を通じて、時代の変化を肌で感じた瞬間でした。「ありがとう」の言葉が、税理士としてのエネルギーに相談会は朝から夕方まで、ずっと納税者の方の予約でいっぱいです。気づけは1時間、2時間が過ぎていきます。無料相談なんて大変なんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はとても楽しいんです。それは、相談者の方々からの「感謝の言葉」でした。「一人じゃ絶対できなかった、本当に助かったよ」 「スマホでできるなんて魔法みたい。来年からは家でやってみるね」 「先生に聞けて、もやもやが晴れました」普段は税理士事務所でお客様との顧問契約においてサービス提供をしているのですが、こうして事業主の方以外の一般の方のお役に立つ機会が持てるということは、税理士という仕事の醍醐味です。私たちの知識は、法律や数字を扱うためのものですが、その先には必ず「悩んでいる人」がいます。その悩みを取り除き、安心を提供することこそが税理士の本質的な役割であると、改めて強く感じることができました。練馬区で確定申告や税務にお悩みの方へ無料相談会は非常に便利ですが、開催日程が限られていたり、複雑な譲渡所得や相続が絡む内容、事業規模が大きいケースなどでは、より詳細な個別相談が必要になることもあります。もし、「自分のケースはもっとじっくりプロに相談したい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお近くの税理士事務所もご活用いただけるとよいかと思います。